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2012/03/06(火) 07:22:47 [国思う勉強会/国守る勉強会]


敷島の四季と和色

 「梅咲きて 桜を識(し)るぞ 侍は」。これは、数年前に詠ませていただいた歌ですが、時候は少し日脚(あし)が伸びて来た頃であり、春そぞろに渡る鳥の声冴(さ)えわたり、日を横切り流れる雲がそぞろにおぼろげに映り始める時節であったかと記憶しております。

 梅の開花とともに、日々新たに繊細な四季を刻み残すかのように、自然の花時計が動き始め、菜の花や水仙、沈丁花、木蓮の時期を経てやがては桜花が咲き始める。幾多の先人の遺徳を讃えるかの桜花が清しく散り、次代のみなさまに願いを託するかのように八重桜が開き始めます。託する弥栄(いやさか)への願いの意味を重ね合わせ、私はこの桜を「弥栄桜」と呼んでおります。

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弥栄桜 (筆者)
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  桜の枝々に若葉が香る頃になると、それに前後するかのように、躑躅(つつじ)や菖蒲(しょうぶ)が初夏の日差しに映えるかのうように咲き始めます。さらに日脚が伸び、夕暮れが遅くなり、里や野山、川に生息する昆虫の姿が増して来る頃になると、紫陽花(あじさい)の出番となります。紫陽花は、薄暮(はくぼ)の空のもとで、種類により変化もまた微妙、且つ多様で、花それぞれに、静かに時間の経過を告げているかにも映ります。

  たとえば、松尾芭蕉は、その時候に「紫陽花や 薮を小庭の 別座舗」と。こう詠いました。子珊(しさん)とは、芭蕉門下の方で、「別座舗」や「続別座敷」の編者として知られています。この歌は、芭蕉が「後の旅」に出発する直前に子珊の住居を訪れ、その「別座舗(別座敷)」から眺めた庭が自然そのままであった、とその感慨を詠んだ句と伝えられています。その緑なす藪(やぶ)の一角で、おそらくは、梅雨を待つように咲いていたでありましょう、紫陽花の光景が思い浮かびます。

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紫陽花 (筆者)
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たとえば「浅葱色」

 芭蕉は、紫陽花について、上記より若い年齢期に、「紫陽花や帷子時の薄浅黄」と詠んでいます。帷子(かたびら)とは、裏地を着けない単衣を謂い、夏にかけての時期に装束をつける際の汗とりとして着用したとも謂われています。素材は、生絹(すずし)、練り絹(ねりぎぬ)、麻糸(あさいと)などで、それらを織った布で縫製されていたといわれます。

 特に、江戸期に入ってからは、麻糸製の単衣が主流になったと謂われます。帷子の色は、正式には白とされていましたが、植物由来の色彩を施した帷子も用いられていたと伝えられています。いにしへの時代のふとしたお洒落とも拝見できます。句の中に「薄浅黄」((浅葱色)あさぎいろ)と詠われています。浅葱色は、葱(ねぎ)の葉の青い色にそぞろに近いことからそう呼ばれています。

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紫陽花(筆者)
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和色おりなす繊細な敷島の四季

 日本伝統の色彩といえば、この「浅葱色」の他に、鶯(うぐいす)の羽色に由来する「鶯色(うぐいすいろ)」や、山吹の花の色に由来する「山吹色(やまぶきいろ)」、海(群青(ぐんじょう)」の色に由来する「群青色(ぐんじょういろ)」など、その悉(ことごと)くが、微妙な自然の折々に由来しており、その数は四百六十五色におよびます。

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路傍にて(筆者)
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和色大図鑑より(そのごく一部)
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 ここで、みなさまがお気づきのとおり、いわゆる和色は、日本人の繊細、且つはるかなる深みを有する「わび・さび(侘・寂)」の美意識の表れであります。敷島の美意識は、現今、巷(ちまた)に観られるようになった原色「三色」をシンボルとするかの他国起源の文化とはまったく異質の、高品位な域にあることが判ります。この点、重々たる峻別の眼を培っておくことが大切かと思います。

(「義広通信」第三号掲載の一部より) (内容は、平成23年5月30日の青少年講座の中より)
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日本は毅然とあれ! 

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敷島の桜花(筆者)
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