2011/12/29(木) 23:00:24 [日本人の底力]

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人類の未来を拓く、日本の基礎研究

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2011年、注目の新発見 10. 最も地球に似た惑星、第2候補を発見 
   地球から36光年離れた場所で新たに見つかった惑星が、これまで確認された中では最も地球に似た太陽系外惑星である可能性が出てきた。8月に発表された研究によると、無味乾燥なHD85512bという名で呼ばれるこの惑星は、ほ(帆)座の方向にあるK型主系列星(KV、橙色矮星)の周りを回っており、チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)に設置された観測装置HARPS(High Accuracy Radial Velocity Planet Searcher、高精度視線速度系外惑星探査装置)により発見された。このニュースは、2011年にナショナルジオグラフィック ニュースが紹介した注目すべき発見の中で、世界で最も読まれた10記事のうちの1つ。産経新聞Web) 12月28日付記事より資料と参照のため抜粋引用
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先ず、現時点の結論から申し述べれば

 余稿ながら、最近、盛んに報じられている表題の類の研究について、報道にはあえて記されていない幾つかの点を踏まえ、自らのメモとしてクリップさせていただきたい。

 表題に事例を通じて紹介されている研究は、今後にさらなる技術的な進展を期待できる。だが、先ず、現時点での結論から申し述べれば、国際的な系外(太陽系外)惑星探査の観測については、実際、観測データ(記録)における解析は、初期のガス型巨大惑星の検出から、近年、ようやく岩石型惑星(太陽系では地球や水星、金星、火星がこれに類する)の検知へと移行して来た段階にあり、眼目とする真の地球型惑星の発見までには、技術的な距離があり、未だに端緒の域にある。以下は、観測の夢を否定するものではさらさらなく、むしろ、観測の要点化と検知の確実性を増すために、最低限度必要な要素の一部である。
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「ハビタブルゾーン」に固執する誤り

 報道に沿って添付される発見惑星の想像図についても、地球をモデリングした「想像図」に過ぎず、実物がその通りであるという保証はない。また、検出した惑星と恒星との推定(平均)距離を、生命の存在に適しているか、否かの議論の中心に据(す)えがちだが、いわゆる太陽定数は、地球型(代謝型)の生命の発生条件(または生命の存在)を探す上での必要条件の一つに過ぎず、十分条件ではない。太陽定数のみで「可能性」を論ずる傾向は、科学界ではすでに二十世紀前半で卒業しているはずだ。だが、欧米の研究者による、内外の報道にしばしば登場する「ハビタブルゾーン」を基準とするかの解説は、多少識る者にとっては陳腐にさえ映るため控えた方が良い。

 たとえば、地球が受ける総日射量は「ハビタブルゾーン」の基準そのままとはなり得ない。マントル層以下の地核での核反応が地上にまでもたらしている地熱を無視してしてしまえば、「ハビタブルゾーン」の中に在り、十分に日射量を受ける位置にはずの地球でさえほぼ全面的に結氷に覆われた惑星と化してしまうであろう実際による。また、温度条件という側面で地球型生命の発生と生息に適している惑星が存在するとしても、恒星風、ならびに、その外部から侵入して来る銀河宇宙線から生命圏を継続的に保護し得るバンアレン帯に類する防護構造を持たなければ「条件に適した惑星」とは謂い難いからである。
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何故、未だに発見が少ないのか

 系外惑星の探査には、かなり以前から大規模な天文台で用いられて来た「位置天文学法」(恒星の自転軸のふらつきによって惑星の存在を検知、推算する方法)があった。その後、観測衛星や探査機などによる「視線速度法」(ドップラー偏移法とも呼ばれ、惑星によって恒星が視線方向にふらついた時に起こるスペクトルのドップラー変移を調べることによって系外惑星を探す方法や、「食検出法」(トランジット法とも呼ばれ、惑星が恒星の前を横切る時に生じる微妙な明るさの変化によって惑星を探す方法)がある。

 だが、上述後段の、前者の観測の場合には、探査機(すなわち太陽系の方向)に対して対象の恒星系がほぼ黄道面を、後者の場合は赤道面を向けている必要がある。幸いにも、そのいずれかの条件を満たした恒星系がデータ解析、検知の対象となったまでで、発見が一部の予測より少ない理由は、事実上、意外に多くの恒星系が、現在の太陽系内の位置からの観測では対象外となっているためである。いわば、こっちを向いていないためで、たとえば、くじら座タウ星(太陽系から11.9光年の距離に在る)など、太陽に、その規模や絶対等級(一光年先から観た星の明るさ)などが比較的似ており、かつては、惑星を持って然りと天文学者が注目していた恒星に、現時点まで惑星が未発見とされている事由がここにある。
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日本の基礎研究が人類の未来を必ず拓く

 たとえば、超高感度な系外惑星上の「生活電波」の有無を確認し得る技術など、新たな観測法開発の研究が待たれるところでもある。そもそもの観測を可能にした基礎技術が日本発のHEMT(High Electron Mobility Transistor: 高電子移動度トランジスタ)である。奇跡に近いほどのノイズ低減を実現した基本発明で、名だたる地上の電波望遠鏡や各種観測設備、ハッブル宇宙望遠鏡をはじめ、最新のケプラー宇宙望遠鏡にいたるまでが、この技術を基本としており、身近な携帯電話やフラット端末などにいたっても、このデバイスが存在していなければ成り立たない。

 将来、このHEMTをさらに凌駕し得るデバイスの研究開発をはじめ、その先の未来を拓くであろう「反物質を1000秒間も存在せしめた」研究。さらに、遂には、南部陽一郎博士らがすでに半世紀前に予測していながらも、欧米では検出が不可能とさえ指摘されていた「ボゾン粒子」の存在をほぼ確定せしめている研究がある。さらには、日本の先達がその原型を提示して来た超弦理論にもとづき、宇宙を九次元化し「三次元の方向にのみ膨張している」とする新研究の端緒も日本人の研究グループによって開かれようとしている。

 かつて西欧で提唱されたクラインの五次元の理論も、名だたるワインバーグ、サラム博士らをしても、数学的に他の三つの力(強い核力、弱い核力、電磁気力)との統一が精一杯で、sこから先へは進めなかった。だが、新たな研究による「幕宇宙論(認識し得る4次元時空(3次元空間と時間)の宇宙は、さらに高次元の時空の一部とする宇宙モデルで、低エネルギー状態では重力だけが余剰次元(5次元目以降の次元)方向に伝播できるとする理論)」を端緒に、その難題が解決し得るやもしれぬ可能性が見えて来たのである。ブラックホールの謎解きも可能になるのかもしれない。
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日本贔屓のフレッド・ホイル博士

 たとえば、我々は、地面に映った三次元の影(二次元)と、さらに時間を合わせればその影の動きを認識し得るが、四次元の存在の一つ一つがそもそもさらなる高次元の「影」であろうことは五感の上で認識し得ない。だが、客観的に淡々と解析すればそれが客観的に可能になる。それが物理学者の仕事であり、その研究を端緒として、新たなエネルギーを人類は見い出すことも可能になるのではないか。「いずれ日本の研究者がなし得る仕事」であると。

 第二次学生時代に飛行機に乗り、優秀でありながらも、当時、異端とされていたフレッドホイル博士(生前)の私的研究室を訪ねた時のこと。知る人こそ少なかったが日本贔屓であった博士に、持参した六段や春の海をレコード(CDの方が多かった)で聴きながらそう申し上げたことがあった。窓外の雪を眺めつつ、ホイル博士は、すぎやまこういち氏がほんの片手間に手がけられた「学生街の喫茶店」の中盤(間奏)のアレンジに、このような意外性がバルトークにも欲しかったと妙に関心しつつ、満更でもなさろうに「きっとそうなるだろうね」と頷かれたのであった。

 一般に、宗教的な概念に囚われず、且つ、宗教の数学的な翻訳の「物理学」ではなく、琴の音やすぎやま氏のアレンジにみられるごくごく純粋なメンタリティを持ち得るのは日本人であり、その意味で、日本人研究者に大きく期待していると。暖炉の温もりの中でこうも語っておられた。以来、幾分かの歳月は流れ、ホイル博士の言葉がいよいよ随所で現実のものになろうかとしている。
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【筆者記】

 お見せした日の丸に、もっともシンプルな国旗で且つ美しいと。出会った諸々の学碩が共通するかのように口にしておられた言葉である。お天道さまのもとに正直率直に生きる。瑣末な身は工学分野がそもそもだが、量子物理学者の一人として、いずれ、日本に国益の糧となるべき大きな成果をもたらす日を目指しつつ、地道に、国思う学校設置への努力とともに、本来の研鑽を重ねてまいりたく思う。メモにて。
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日本は毅然とあれ!     

20111229003        
路傍にて (筆者)
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