2013/03/15(金) 22:37:00 [落書き帳]

20121210008
交渉参加(≠ノットイコール)TPP参加

20130315003 
首相がTPP交渉参加を正式表明
   安倍晋三首相は15日夕、官邸で記者会見し、高いレベルの貿易自由化を目指す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を正式表明した。TPP交渉にはこれまでに米国、カナダ、豪州、ペルー、マレーシアなど11カ国が参加している。以上、冒頭より/産経新聞Web) 平成25年3月15日付記事より「個」の日記の資料として参照 ----------

政権発足後78日での「参加表明」

 専門外のため、あくまでも「個」のメモとしてクリップさせていただきたい。「TPP交渉への参加」については、一般の「賛」「否」が分かれるところと思う。先稿で、読者のみなさまにアンケートへのご参加をいただいたところ、「賛」「否」が分かれている。と謂うよりは「反対」が多数であった。では、汝はどうなのかと尋ねられれば、先年の稿に申し述べた通り個人的には「反対」である。

 その最も大きな事由は、経済政策の一環とするにしても、そもそも外国が形成した仕組み、枠組みへの参加をこの日本が後発的に求められること、それ自体がナンセンスに映ってならないからである。この話は、民主党政権が日本を不法占拠し、在位期間の九割近くを「政治空白化」し国力と時間をいたずらに消耗した「39ヶ月間」が、もしも自民党政権による「39ヶ月間」であったのなら、事前の折衝ももっとゆっくりと異なる方向性を有したものへ、つまり日本の主張を幾分かでも採り込めた「交渉参加への是否」議論になっていたはずではないか、とこう考える一人である。
----------

交渉参加(≠(ノットイコール)TPP参加

 だが、安倍政権発足後3ヶ月も経ない内での交渉への参加「表明」の足元では、「聖域を守る」云々のネゴシロは実質的に消失していたと。そうみなして差し支えない。但し、交渉に参加するとは謂え、交渉参加(≠(ノットイコール)「TPP参加」とは謂えない。

 「交渉」である限りは、「交渉」へ参加しても妥結し得ないままの交渉終了や決裂も有り得る。その可能性もまた否定できないため、メディアがやたらと先行させるかの、早々の「TPPに参加したら国の損益はこうなる」といった“議論”はいかがなものかと拝考する。
----------

目安としての「経済効果」試算

 現在から向こう10年を見据えた定点観測的な(経済)損益予測は決して無駄ではない。だが、その経済予測の途中式を拝見しない限り、国際状況の動的変化をも可能な限り考慮した「経済予測」とは謂えない。

 動的変化とはこういうことだ。たとえば、「今、時速5キロメートルの速度で歩いています。24時間後に何キロメートル進んでいるでしょうか?」といった、「今」を基点にした単純計算が今日の“経済予測”の“基本”であって、指摘すれば小学生低学年の算数レベルか、せいぜい、エクセルをいじって算出する机上予測の域を本質的に出ないものだ。

 動態の上で、人間は本当に「時速5キロメートル」でコンスタントに「24時間」歩けるのかと問えば、必ずしもそうではなく現実的ではない。行く道すがらに信号待ちや食事やトイレに要する時間も有るはずで、「24時間」を経た後に進んた距離は先ず「120キロメートル」ではないと。そう考えるのがごく通常であって、消費や工業製品の輸出の拡大によって、農業分野で3兆円の損失とあんっても、差し引き「3兆2千億円」のGDP押し上げに通ずるとする、暫定的な政府による「試算」についてもあくまで「目安」であり、額面をそのまま受け止めるわけにはいかない。

 但し、安倍首相が会見の中で、その数値は「関税をすべて即時撤廃し、国内対策は前提としないという、きわめて単純化された仮定での計算によるもの。実際には、今後の交渉によって、我が国のセンシティブ項目への特別なハードルなど、あらゆる努力により、あらゆる悪影響を最小限にとどめるのは当然のこと」としている点が重要であり、その点、政府の専権事項としてどう対処されていくのか、否か。交渉未決、決裂の可能性も視野に入れての、国益か、否かの分岐点になろう。
-----------

大局「安全保障」強化のために

 現下、日本は開戦をしかけられかねない危機に直面している。憲法改正、とりわけ九条改正への実質未着手の段階にあり、本位、不本意に関わらず防衛の基軸をどうしても日米安保に依存せざるを得ない状況にある。その状況下で、先ず安全保障の強化をと。そう判断せざるを得ないのが現況だ。民主党政権の「39ヶ月間」にそれを「但しまともに」成し得てさえいれば、事後の安倍政権がここまで喫緊の課題としなくても済んだと。そうみなせる要素は少なくない。

 日本が憲法と防衛の両面で自立するそれまでの間は、侵略に対する集団的自衛権の行使すらままならない現状では、米国の抑止力を背景とするしかない。たとえば、尖閣も日米安全保障の対象である、との国務長官らの確たる言を引き出す。そのためにも、「TPP交渉への参加」のスタンスを示しておく必要が有った。いわば、高度な政治交渉の上での「TPP交渉」をも巻き込んだ折衝のその一つが表題の「TPP交渉への参加」と筆者はそうみなしている。

 交渉への参加を表明しても、米議会での承認までに90日を要するとあれば、順当に“事が運んだ”としても、7月、9月の二度しか交渉の席につく機会が無い。結果、交渉未完による終結か、毒を食らわば「皿まで」式の「聖域」無き実質「無条件参加」とするかのいずれかしか有るまい。前者の場合、結果、「TPPへの参加」は成らずとも、必要に応じての、項目別の「FTA」交渉をすればよいのあって、それならば安全保障への影響も無い成り行きで済むでのはないかと。こう拝考する一人である。
----------

損益計算では云々できない事柄

 世の事象には、損益計算のレベルでは云々できない事柄の方が実は多い。TPPの短所はその「平坦性」にあり、金魚も鯉も雷魚も「同じ水槽」に入れようかとする“平等理論”に他ならない。失ってはならない、傷つけてはならない伝統や品位、安全性、清浄性はこの日本に数多と有る。その意味で、たとえば、印度に「TPP交渉への参加を」と尋ねても首を決して縦に振らないだろう。損益計算では云々できない事柄を自国内に数多くの認識しているためだ。

 日本も本来はその筋道に在るはずだが。印度と決定的に異なる点は独自の軍隊も核も保有していない現実にある。

 その意味で、淡い期待かもしれないが、件の「TPP交渉への参加」は単なる時局に即した、総理なりの高度な政治判断のもとでの「交渉への参加」であると理解したい。あれこれバタバタしている内に、どさくさに紛れてでも、歩みを急ぐべきは憲法と防衛面での「日本の自立」への途である。

平成25年3月15日
----------

【筆者記】

 ふて寝するにはまだ早い。いっそ寝てしまった方が楽だが。
----------

日本は毅然とあれ!            

20130314011            
路傍にて(筆者)
----------

↓携帯からも応援を!

http://blog.with2.net/link.php?1627008
----------

【交渉は国益に則って慎重に!】と思われる方はクリックを!↓
20121210008 
スポンサーサイト



| HOME | Next Page »