2011/08/18(木) 18:37:37 [「博士の独り言」復刻記事]

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平成20年6月13日付メモより復刻
在日朝鮮人2世で、韓国籍で、日本名を名乗る不可解
不可解な「訴訟」が意味するもの

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「『地上の楽園』は虚偽宣伝」 脱北女性が朝鮮総連を提訴 大阪
 「地上の楽園」などと虚偽の宣伝がなされた帰還事業で北朝鮮に渡り、強制収容所などで肉体的、精神的苦痛を受けたとして、脱北した大阪府在住で韓国籍の千葉優美子さん(47)=韓国名・高政美=が13日、帰還事業を支援した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を相手取り、慰謝料など約1100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。国内在住の脱北者が帰還事業をめぐって提訴するのは初めて。脱北者を支援する「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(三浦小太郎代表)によると、国内在住の脱北者は約170人。今後も同様の訴訟を検討しているという。産経新聞 平成20年6月13日付記事より参照のため引用/写真は「朝鮮総連を提訴した後会見で、涙を流し悔しい思いを話す脱北者の千葉優美子さん(高正美)=13日午前11時33分、大阪市北区の大阪司法記者クラブ」と伝える産経新聞の同記事より参照のため引用
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北朝鮮の国策「強制収容所」

 表題は、複雑な要素をさまざまにはらみ、読む側の違和感が否めない「ニュース」に映る。そこで、雑感ながら短稿を報告したい。昨年(2007年)の報道では、この女性について、多くが『千葉優美子さん』と報じていたが、今般は、『韓国籍の高政美(コジョンミ)さん(47)(大阪府八尾市)』と報じるメディアも多いようだ。だが、メディアには、表題記事のように、『大阪府在住で韓国籍の千葉優美子さん(47)=韓国名・高政美』と併記していただく方が、昨年の「ニュース」からの時系列的な系譜が判りやすくなる。それで、頭の悪い筆者も、昨年7月の小稿でも触れたことを思い出せたのであった。当時も証言の様子等で報じていたので、ご記憶の中に古くない読者もおられると思う。

 先ず、北朝鮮の収容所の様子について、現存する記事(「NNN」2007年4月25日付)を通じてこの女性の証言を読み返してみると、次の文言があった。たとえば、米国での証言では、『北朝鮮の収容所では「看守に呼ばれた人は二度と戻ってこなかった」などと、自らの体験を涙ながらに証言した』と。

 また、この『千葉優美子さんは、在日朝鮮人の両親と北朝鮮へ帰還し、03年に中国へ脱北したものの北朝鮮に強制送還され、収容所に送られた。千葉さんは「死ねばいいのに…死ぬことさえもできませんでした」「(収容所の)9歳の男の子は、骨になるまでやせ細り震えていました」「(収容所での)私は傷が化のうし、唇と目が腫れ、舌が出ていました。そんな私を毎日1時間拷問しました」「毎日、私の前からは2、3人ずつ消えていなくなりました」と語った』と語っている。

 気の毒な話だ。「暴政」と「暴力」、「飢餓」「不衛生」。その中で次々と落命していく収容者の様子は、以前から随所でなされていた脱北者の証言と軌を一にしている。工作員による人身拉致をはじめ、こうした収容所を国策とする北朝鮮は、日本に対して、とても「人権」を語れる立場には無いことがあらためて分かる。
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日本への責任転嫁の兆候

 この女性の経歴について、表題記事は、『千葉さんは3歳だった昭和38(1963)年、両親とともに帰還事業で北朝鮮に渡り、政治的な理由で父や兄が強制収容所に入れられた。千葉さん自身も8年前に脱北を試みて失敗、収容所で拷問を受けた。2度目の脱北で成功し、平成17年7月に日本に入国した』と記している。

 また、朝鮮総連の帰還事業をめぐる訴訟について、表題記事では、過去の判例を紹介し、この女性の訴訟についても勝算が低いことを暗示している。だが、その一方では、『賠償請求権は損害や加害者を知った時点から3年間行使しないと消滅するが、千葉さんの代理人の弁護士は「千葉さんは日本入国後3年が経過しておらず、時効にはあたらない」としている』と記している。朝鮮総連を真に相手取った訴訟ならば積極的に行えばよい、と思う1人だが、その動向を識る上で注目したい。

 同時に、何故、この時期の訴訟なのか。これまでに同様の訴訟事例があるならば、過去3年間に、何故、行わなかったのか、と。ふと、その疑問が性格の悪い筆者には浮かぶ。いわゆる、タイミングが「日朝協議」と符合するからである。また、表題記事では、どちらかといえば好意的に報じているが、しかし、同訴訟は両刃(もろは)の剣かもしれない。たとえば、読売新聞(6月13日付)では、『帰還事業を巡っては、1959年2月に事業を閣議了解した日本政府などの責任を問う声もある』と記し、「帰還事業」の「責任」が、日本政府へ転嫁されるかの兆候が観られるので要注意かもしれない。
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「救済責任」は国籍本国に問え

 「帰還事業」の経緯はどうあれ、本来の「責」は北朝鮮に存在する。いかなる国であれ、また、いかなる状況にあれば、自国の国籍を有する人々を根源的に救済する義務は、国籍本国に帰属するからである。また、戦前・戦中の「強制連行」で日本に連れられて来たとする通説には、綿密な事実確認と検証を要する。

 一部の、準南北朝鮮紙の報道では、この女性の身柄についてポロリとこう記してる。云く、『女性は大阪市生野区出身の在日朝鮮人2世、高政美さん(47)。両親は韓国・済州島出身。62年に父親が死亡し、母親が総連関係者から「北朝鮮に行けば心配なく生活できる」と説得され、3歳だった63年に母親と兄、弟らと北朝鮮へ渡った』(「毎日新聞」平成20年6月13日付)と。

 この女性の出生は1960年、または同62年と思われる。出身地である大阪市生野区と両親の出身地について、同紙(3月21日付・消失)では興味深い記事があった。いわゆる「在日1世」の大部分が、戦後に日本に逃れて来た「済州島」出身者であることは、良識のよくご存知のことと思う。同記事に云く、『80歳を超える在日1世らがよもやま話に花を咲かせ、みんなで故郷の味を楽しむ。ほとんどが済州島の出身者だ』と。また云く、『住民の約24%を韓国・朝鮮籍者が占める同区。その形成は、済州島との関係抜きには語れない』(同)とあった。

 日本では戦後に当たる1948年(昭和23年)4月3日、済州島では「4.3事件」と呼ばれる動乱が勃発。同島では左翼勢力が蜂起し、それをきっかけとして島民約3万人が「同胞」の手によって虐殺された、と伝えられる大事件があった。その混乱から逃れるために、日本へと渡って来た。それらの人々が、上記の毎日新聞記事が『その形成は、済州島との関係抜きには語れない』と記す通り、現在の生野区でも「在日1世」の『ほとんど』を占めている。表題の女性もそうした両親を持つ1人であろう。その事実が行間から窺えるのである。いわゆる、戦時中に日本へ“強制連行”されて来た人を探す方が至難である。

 このように、1つ事象の起源と、その時系列な系譜について少々掘り下げてみると、各社各様のメディア「報道」に行間を縫うように、意外な方向性が見い出せるケースもあるようだ。小稿は単なる杞憂であればよいのだが、特定国に関連する出来事には、「裏」があるケースが少なくない。安直に同情するようなことがあれば、足元をすくわれる。気が許せないのである。以上、雑感ながら。
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【筆者記】

 先稿「韓国の真実!」に申し述べた通り、日本は可能な限りの好意的な支援を韓国になして来たのである。件の「日朝協議」で、日本に「過去の清算」を求めるのであれば場違いも甚だしい。言葉は悪いが、金正日体制を維持するための資金が必要とあれば、およそ「北朝鮮の分」もネコババした韓国に請求すべき筋道にあると謂えよう。

 まして、南北朝鮮の動乱から日本へ避難して来た人々を“強制連行”の被害者であるかに仕立て、日本を加害者であるかに喧伝する対日毀損の策動はもはや破綻しているのである。速やかに日本人拉致被害者を日本へ帰還させ、直下の工作組織・朝鮮総連を「祖国」に引き上げて「救済」を果たし、国籍本国の「責」をまっとうすべきだ。どのように間違っても、「制裁解除」はなすべきではない。
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 以上、平成20年6月13日のメモより復刻
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■ 意見資料: 
平成23年6月29日加筆 強制連行を「事実」だと誤解していませんか?
平成23年6月27日加筆 区別を「差別」だと誤解してはいませんか? 
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■ 参考記事: 「強制連行」の虚構
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【筆者追記】

今後の参考資料として復刻

 炎暑で少々立ち往生しておりましたところ、沢山の激励のメッセージを頂戴いたし感謝申し上げます。先日より、折々の合間にですが、今後の参考のため、消失していたメモ(「博士の独り言」記事)の復刻を進めています。数にして600編を超えており、可能な限りその一つ一つを復刻しつつ、現版「博士の独り言 II」に報告させていただきたく考えております。

 本記事は3年前のものですが、今後の参考のため、先原稿と併せて復刻させていただきます(これで9稿目になりました)。民主党政権下では、人権侵害救済法案提出へ向けての、さまざまな表面偽装が繰り返されている、その現状については、多くのみなさまが一部のニュースでご存知のことかと思います。 3年前の表題の事例は、仮そめにもかくなる闇法案が通れば、「亜」の民があらゆる擬態、偽装の手立てを擬して、この日本を賠償の巣窟としかねない。その危惧を予証させる一つととらえております。

 良識による反駁・阻止を願い、民主党はじめ特殊政党の毒性や闇法案の危惧を指摘してまいると共に、同類の病巣を有する「亜」の毒性についても、諸事多き今月は、引き続き、小稿のように、消失していたメモも復活・報告させていただきたく考えております。 
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日本は毅然とあれ!      

20110818004       
路傍にて(筆者)
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