博士の独り言 II
ブログ「博士の独り言」の新編を兼ね、国思う諸活動を報告します。
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日本の「反物質研究」考
2011/06/06(月) 23:40:56 [
明るいニュース
]
日本研究チームの途轍もない
成果
「反物質」16分閉じ込め、宇宙の謎解明へ一歩
日本の東京大学や理化学研究所が参加した欧州合同原子核研究機関(CERN、ジュネーブ)の国際研究チームは、通常の原子などと反対の電気的性質を持つ反物質の一種、「反水素原子」を世界最長の16分以上(1000秒間)にわたって閉じこめることに成功した。
読売新聞
(
Web
)6月6日付記事より参照のため抜粋引用/写真は
読売新聞
の
同記事
より資料として参照のため引用
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途轍もない成果
通常、存在している「物質」とは正逆の電気的性質を持つ物質。それが物理学で謂うところの「反物質」である。表題は、日本の研究チームが、欧州合同原子核研究機関の大型粒子加速器(ジュネーブ)の中で、「反物質」の一種である「反水素原子」を生成し、「世界最長の16分以上(1000秒間)にわたって閉じこめることに成功」し、「5日の英科学誌ネイチャー・フィジックス電子版に発表した」と伝えるニュースである。事実とすれば、途轍もない成果に違いない。
多くのみなさまがご存知のように、「反物質は」は、ごく身近な自然の中ではほとんど存在していない。地上に降り注ぐ宇宙線の中などに若干の陽電子が検出されることがある程度で、身近に「反物質」存在を確認するとすれば、表題のような大型の粒子加速器の中で生成するしか主だった方法がない。
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「反物質」の実証的な研究
いわゆる、真空の一点でガンマ線など高いエネルギーを衝突させると、対生成(ついせいせい)と謂う正負それぞれの電荷を持つ電子がその「一点」に出現する現象が起きる。だが、極めて一瞬の出来ごとであり、ごく間も無く、そのペアが衝突し、ガンマ線を放って対消滅(ついしょうめつ)と謂う結果にいたる。いわば、特殊な条件下でようやく現れて、しかし、瞬時に消えてしまう。政界の事象に喩(たと)えれば、はかないミニ政党のような存在と謂えるのかもしれない。それが「反物質」である。
生成した「反物質」を特殊な物理条件下で消滅させずに残す。それを閉じ込めとも謂うが、日本チーム独自の閉じ込め方法によってその「寿命」を延ばす。正電荷を持つ水素原子(反水素原子)が日本チームの実験のキーワードだが。その存在時間が16分以上(1000秒)にも及んだとすれば、大変な成果と謂える。再現性があれば、いわゆる、「宇宙の進化の謎をひもとく研究に道を開く成果として注目される」(表題)ばかりか、将来の新エネルギー開発をも視野に入ることが可能な基礎研究の端緒を拓く研究への位置づけがなし得るものと拝察する。
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日本人であればこそ
そもそも、宇宙空間で謂う「真空」とは「何も無い」状態ではなく、高エネルギーの宇宙線が交差する中での、無数の対生成と対消滅が際限なく繰り返されている状態を謂う。「反物質」の存在は、ディラック(1902-1984年)の「ディラック方程式」をもとに理論的に定義され、たとえば、同博士独自の質量とエネルギーの等価式の解釈はよく知られるとことでもあり、その後に観測がなされて来た。だが、ここ数年、実証的な研究を重ねているのが日本の数多くの研究者たちである。
「有」「無」の認識枠組みからの、「真空」とは「何も無い」状態であるかの西欧に在りがちな固定観念にとらわれず。それを微細な対象と成し得る日本の基礎研究にとって、量子物理学は今後の新たな「お家芸」と成り得る分野と信じて止まない。いわゆる、お天道さまのもとで正直に生きる。ありのままに「ありのまま」を認識できる。その潜在力を本然的に有し、事象を構造的に会得し、応用し得る底力が日本人のDNAの基本にある。民族の“優越性”云々の、解釈の域を超えた、紛れも無い事実である。
たとえば、銀河周辺の「何も無い」はずの空間に、ハローと呼ばれる事象がなぜ観測されるのか。中心に存在が観測されているブラックホールと銀河の相関性や、時空の謎解明や物理学的な新エネルギー発見にいたるまで。日本の研究者には、否、率直な日本人であればこそ、その解明に先駆的な貢献をなして行く潜在性を十二分に有している。良い意味で、シマツに負えないのである。
残る課題は、確たる国家観の錬成にあり、純粋な研究成果を怪しげな国々に易々と渡さないことだ。
平成23年6月6日
博士の独り言 記
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日本は毅然とあれ!
路傍にて
(筆者)