提出「不信任案」考
2011/06/01(水) 21:16:29 [国内時事]
分水嶺の6月2日に
小沢氏、不信任に賛成へ=「40~60人が造反」-野党が提出、2日採決
自民、公明、たちあがれ日本の野党3党は1日夕、菅内閣に対する不信任決議案を衆院に共同提出した。2日午後の本会議で採決される見通し。採決では民主党内から、小沢一郎元代表や同氏に近い議員を中心に大量の賛成票が出るのは確実で、否決されても菅政権の一層の弱体化は避けられない。党執行部は、欠席も含め「40~60人が造反する可能性がある」と分析。こうした「反菅勢力」の切り崩しを進めており、民主党を巻き込んでの不信任案をめぐる与野党の攻防はヤマ場を迎えた。時事通信(Web)6月1日付記事より資料として参照のため抜粋引用/写真は産経新聞(Web)6月1日付記事より資料として参照のため引用
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下がる「過半数」ライン
事象を観る場合、その先に想定し得る結果を先ず幾つか仮に置いてみる。その、それぞれの結果から逆試算して成り行きを分析する方法がある。そうすると「成り行き」に事の本質が観えて来ることもあるからだ。
1日夕刻時点での状況として、野党3党により「内閣不信任案」が提出(1日夕刻)された。みんなの党、共産党も同案に賛成。社民党の6議員は、採決が見込まれる衆院本会議(2日)を「欠席する方向となった」(時事通信)。さらに、民主党の「党執行部は、欠席も含め「40~60人が造反する可能性がある」と分析」と。また、「自民党の岩屋毅氏も棄権を表明している。採決には横路孝弘議長は加わらず、欠員1で、過半数は236票」(同)とある。
時事通信(Web)6月1日付記事
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一方、民主党内で不信任案に対して、「首相と前原誠司前外相、野田佳彦財務相をそれぞれ支持するグループと旧民社党系が既に反対を決定」と。また、「海江田万里経済産業相と大畠章宏国土交通相は、不信任案に反対する考えを示した」(産経新聞)とある。
しかしながら、「一方で態度未定の中間派議員も相当数おり、同調者がどれだけ広がるかは、5月31日に首相に自発的辞任を迫った鳩山由紀夫前首相を含め、同氏のグループの動向が焦点となる」(同)としている。これらの報道が事実とすれば、こうした状況のもとで、キー・ファクターと考え得るのが、不信任案に「態度未定」の議員諸氏の動向であろう。「賛」「否」を回避するかのように、本会議(2日)への欠席者が増えれば、過半数ラインが相応に下がる。
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採決の結果は如何に
そもそも、衆議院は欠員1人。また、同院議長は投票しないため、投票総数は478人で過半数は240人とみられていた。しかし、上記の社民党6人と自民党1人が欠席とあれば、投票総数は471人となり、ゆえに、上述の「236票」が過半数とみなす数値として報じられている。だが、鳩山由紀夫氏(前首相)が菅首相との会談(31日)で、自発的、且つ穏便な辞任を求めたが、現首相はそれを拒否した。その結果、鳩山由紀夫氏も不信任案「賛成」の方向へ傾いて来た(要旨)、との報道も一部にあった。
鳩山氏とそのグループの採決当日の行動は予測し難いが、融曖精神をもとに、もしも、こぞって欠席となれば、「過半数」ラインがさらに「230票」、あるいは「220票」へと下がる可能性もある。仮に、そのうち10人が本会議に出席し、不信任案に票を投じるようなことになれば、賛成、反対両票が拮抗することになるが、果たして採決の行方や如何に。
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赤軍政権の復讐か、大連立か、解散総選挙か
採決(2日)の如何によって考え得る行く末について、概ね、3通りを仮置かせていただきたい。上記の動向が事実とすれば、メディアの一部が指摘するような、民主党内の分裂が顕著になる可能性がある。だが、岡田克也氏(民主党幹事長)らが示威的にほのめかしている党内処分を結果的に恐れるかのように、一転して「反対」に回る議員が続出すれば、不信任案の多数否決となる可能性も否めない。その結果にいたった場合は、赤軍政権の反動的な復讐が始まる可能性が高い。闇法案の提出、成立の嵐が国民を襲う可能性がある。
なぜならば、報道が示すように約50人がそこで離党したとしても、それは不信任案決議をめぐる「政局」の域内でのことであり、必ずしも、同議諸氏が(=イコール)闇法案の反対派ではない現実に問うべき危惧がある。多くのみなさまがすでにお気づきの通り、不信任案を共同提出した公明党自体もその典型である。たとえば、5月28日参院で可決した「日韓図書協定」の「賛」「否」の実態を振り返れば、みんなの党までがそう指摘すべき域内にあることが判る。
表向きに党派が分かれたとしても、“是々非々”を合言葉にするかのように、災害復興への審議のその裏側で、民主党政権が圧し進める闇法案国会がさらに進む可能性は否めないのである。仮に、首相を取り換える代わりに、さて、菅さんが辞任したから“復興”のための「大連立」を、との以前からの“お誘い”に自民党、たちあがれ日本が乗ってしまうようなことになれば、本質的に何も変わらない。民主党の不信任案「賛成」議員諸氏には、この偽装的な“生き残り”を意図している顔ぶれが目立つのが気がかりである。
先稿で指摘させていただいた通り、毒は毒を以って制し切り、そこで一気呵成に解散・総選挙へと突き進め、首相はじめ赤軍派の闇議員の落選とともに、良識の総意を以って、1人でもより多く毒性の高い議員諸氏を淘汰へ導き、西川京子氏や中山成彬氏ら、国会に必要な国思う議員諸氏に復帰いただく。さらに、高い投票率の選挙を以って、公明党にも議席激減の結果に甘んじていただく。それが現下の情勢にみるベターな道筋であろう。分水嶺の6月2日になりそうだ。
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■ 主な関連記事:
・ドサクサ紛れの「亡国法案」考 2011/05/26
・西岡議長「菅首相の即時退陣を要求」考 2011/05/20
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【筆者記】
井戸の深水を貰いに行った時、生みたてのたまごをいくつか恵贈くださった農家の若主人殿が、こんな政治家がいたら仕事を放り出してでも応援したいなと。「破れ傘刀舟」先生のもの真似をしてみせてくれた。「罪もねぇ被災者の人々を、虫けらのようにさんざん利用しやがって、ああ、許せねぇ。てめえら人間じゃねぇや、叩っ斬ってやる!」と。迫力があった。普段は、大声で口上するとご近所の迷惑になる。ゆえに、濡れタオルを口に当てて時々やっておられるそうだ。やってみようかな。
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「人権救済法案」反対の意見広告(月刊「WiLL」平成23年7月号 P273より)
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ブログの日頃の論旨につき、ごく当たり前の筋道に照らして「おかしい」、「変だ」と洞察し、意見書のメモとしてみなさまに報告させていただき、その病理を問う。これが「博士の独り言」のスタンスであり、今後も不変です。
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事実の共有はすべての第一歩です。正論は事実から生まれ、良識の声は必ず力になる。良識による日本防衛を切に願い、国害と指摘すべき諸事項に対し、覚悟の上で取り組む国思う活動を応援くださり、辛抱強く支えてくださるみなさまに心より感謝します。
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日本は毅然とあれ!
野に咲く花のように(筆者)
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